gloopsといえば、国内向けのソーシャルゲームを思い浮かべる人が多いはず。
ですが同社は、早い段階から海外を見ていました。創業者・梶原吉広が受けたインタビューのタイトルにも、その姿勢がにじみます。
「世界市場を狙う」「世界のソーシャルゲーム市場に挑む」。当時の見出しに並ぶのは、そんな言葉でした。
この記事では、gloopsが海外展開に向けて公に示した動きを、確認できる事実に沿って整理します。憶測は交えず、記録に残っているものだけを追いかけます。
「世界市場」を掲げたインタビュー
2011年、梶原吉広は複数のメディアの取材に応じています。
ゲーム業界メディアgamebizのインタビュー(2011年7月)は、「世界のソーシャルゲーム市場に挑みます!」という見出しで公開されました。
同じ年の10月には、ファミ通.comが「世界市場を狙う業界の風雲児」と題したインタビューを掲載しています。
見出しに共通するのは「世界」という言葉。国内で会員数を伸ばしていた時期に、すでに海外市場を視野へ入れていたことがうかがえます。
当時のgloopsは、累計会員数1000万を超えたばかり(2011年11月時点)。国内で勢いに乗るなかでの海外志向でした。
TGS2012での戦略発表
海外への姿勢が、より具体的な形で示された場があります。2012年の東京ゲームショウ(TGS2012)です。東京ゲームショウは、国内最大級のゲーム見本市。国内外のメディアや業界関係者が集まる場です。
そこで戦略を語ることには、対外的に方針を宣言するという意味合いがあります。
日本経済新聞は、この場でgloopsが海外戦略を公表したと報じました。
見出しは「DeNAと一緒に世界へ」。プラットフォームを提供するDeNAと歩調を合わせ、海外市場へ出ていく。
そうした構想が、業界最大級の展示会の場で語られました。国内向けタイトルで実績を積んだ会社が、次の一手として海外を掲げる。
その動きが公になった場面です。
海外拠点「gloops International」
構想だけでなく、組織の面でも海外展開は進みました。gloopsは海外向けの拠点として「gloops International」を設けています。
GAME Watchは、同拠点のCEOだった冨田由紀治へのインタビューを掲載しました。
日本の本体とは別に、海外市場と向き合う専門の体制が置かれていたことがわかります。
会見や見出しでの言葉にとどまらず、実際に人と組織を海外へ振り向けていた。その事実が、拠点の存在からうかがえます。
国内でヒットを出し、その勢いのまま海外へ。gloopsが描いていたのは、そうした拡大の構図だったのでしょう。
各社が海外を見ていた時代
gloopsの海外志向は、同社に限った動きではありませんでした。
2011年から2012年にかけては、国内で急成長したソーシャルゲーム各社が、さらなる拡大先として海外に目を向け始めた時期です。
プラットフォームを運営するDeNAやGREEといった大手も、この頃に海外展開を進めています。
国内で培った運営のノウハウを、海外のユーザーにも届けられないか。多くの会社が、同じ方向を見ていた時代でした。
gloopsが掲げた「世界市場」という言葉も、業界全体の流れのなかに置いてみると、輪郭がはっきりしてきます。決して孤立した挑戦ではなかった、ということです。
買収という転機
海外展開の流れには、もう一つ大きな出来事が重なります。2012年10月、ネクソンがgloopsを365億円で完全子会社化しました。
ネクソンは、アジアを中心にグローバルへ事業を広げる企業です。
その傘下に入ることは、gloopsにとって海外への足がかりにもなり得ました。
買収の狙いや、その後の展開がどうなったのかまでは、確認できる範囲を超えます。ここでは踏み込みません。
事実として押さえられるのは、海外志向を掲げていた会社が、グローバル企業の一員になった、という点です。
「世界」を見ていた会社の記録
インタビューの見出し、TGS2012での発表、海外拠点、そしてグローバル企業による買収。
断片をつないでみると、gloopsが早くから世界を意識していたことが見えてきます。国内の成功だけでは語りきれない一社の姿。そこに、梶原吉広が掲げた「世界市場」という視点が残っているのではないでしょうか。

